これから妊娠を考えている先生や、妊娠が分かりこれからの働き方を考えている先生にとって、たくさん考えることはあるとは思いますが、一つの大きなこととして、「いつ職場復帰するのか」があると思います。出産後どのように仕事をしたいのかという個人的な希望の他に、人員や職場の事情もあると思います。
「職場復帰をこの時期に行うイメージ」が分かると、考えやすくなるかと思います。私の周りでは産後1年以内に復帰される先生が多い印象なのと、1歳以上は個人差も大きくなってくるので、今回は1歳までの月齢別に考えをまとめてみました。
産後6〜8週
まず、大前提として、労働基準法における母性保護規定1)として、産後8週間は就業させることができません(6週間を経過した後は労働者本人が請求し、医師が支障ないと認めた業務に就かせることは可能)。出産前の申請は、出産予定日で行い、出産後に再度申請を行うことになります。産後6週で医師に許可を貰って仕事を再開するという選択肢も可能ではありますが、その場合には出産前から「授乳方法」、「昼間・夜間の世話を誰がするのか」を綿密に計画しておく必要があります。完全母乳ですと、昼夜問わず慣れない育児、授乳をしなければならないので、この時期はまとまって休みが取れないことが多いです。
母乳と人工乳の混合授乳や、完全人工乳でお世話ができるように、出産直後から調整していく必要がある場合が多いと思います(母以外でもお世話が出来る様に人工乳がオススメです)
また、日中に仕事へ出られるよう睡眠を確保するために、夜間に赤ちゃんの世話をする人の協力が欠かせません。
それから、生後56日までは保育園に預けられないので、日中も保育園以外の協力(多くは家族やパートナーなど)が必要です。
生後2ヶ月〜4ヶ月
法律的には産後休業から、1歳に到達するまでは育児休業期間に切り替わります2)。まだ授乳は3-4時間置きにする必要がありますので、手が掛かります。3ヶ月を過ぎると日中起きている時間が長くなり、4ヶ月くらいになると、昼夜の区別がつき始めるので、少しずつ夜眠れる時間が長くなってくるかも知れません。寝て起きて、授乳して…だけだった新生児と比べて、あやすと笑う様になったり、首が座ったりと、日に日に可愛らしさが増してくる頃です。だんだん育児にも慣れてくる頃ですので、早い先生だと少しずつ職場復帰を考え始める頃になるかも知れません。早い月齢に対応してくれる保育園や、シッターさんなどを探す必要があります。
生後5ヶ月〜7ヶ月
寝返りをしたり、はいはいしたり、腰が座ったりと行動範囲が広がってくる頃です。赤ちゃんを毎日送り迎えする為に、抱っこやベビーカー、ベビーシートなどが使いやすくなってきます。
また預け先の選択肢も増えてきます。病児保育の対応をしてくれる場所が増えるのもこの時期です(検討しているシッターサービスやお住まいの市区町村などを確認して下さい)。
離乳食が始まってきますが、まだ初期だと市販品も少なく、また給食で対応してくれない場合も多いので、自宅で離乳食を用意する必要があります。
健診などでは「初回の食材は、アレルギーが出ることがあるので、病院受診しやすい平日日中に」と言われることが多いので、離乳食の進め方と、自宅外保育の両立で悩む可能性があります。
人見知りが始まる頃になるので、保育園などに預け始めると、慣れるまでは毎朝涙のお別れになるかも知れません。
赤ちゃんとの生活は比較的安定はしてきますので、仕事と生活との両立のことも考えやすい時期になってきます
生後8ヶ月〜9ヶ月
赤ちゃんによっては夜泣きが出てくる時期になるので、夜にどれ位眠れるかは個人差が出てきます。夜泣きに対応して、日中は仕事で、と体力勝負な時期になるかも知れません。
離乳食中期になってきます。保育園で給食として対応してくれる場合もあれば、お弁当持参の場合もありますので、確認しておきましょう。この労力の差は大きいです。お弁当とは言っても、市販品の持参も許可してくれる場合もあります。市販の種類も増えてくるので、安全面や栄養面などにこだわった離乳食も手に入りやすくなります。
生後10ヶ月〜1歳
やりとりが活発になってくるので、保育してくれる人と楽しく過ごせるようになってくる時期です。預け先で楽しそうに過ごしている姿が見られるかもしれません。離乳食は後期、1日3回になってきます。給食があれば大きな助けになりますが、つかみ食べや、食べこぼしなど食事介助が大変な時期かも知れません。
それぞれの個性も大きくなってきますので、預けて仕事ができそうか、お世話が任せられそうかなども個人差も大きくなってきます。この頃になると、復帰を考える先生も多くなってくるのではないのでしょうか。
簡単ではありましたが、月齢別の職場復帰の概要でした。実際に経験したママからの話を聞けるとイメージが湧いてくると思います。1歳までの1年間は変化も大きいので、成長を近くで見届けたいと感じるかもしれません。
実際には、職場・預け先の融通の利きやすさや、子供の性格などでも変わってくると思います。子育てや仕事の仕方に正解はありません。それぞれの先生の思う方法で、試行錯誤して両立の道を探って行って下さい。